地震、雷、火事などの災害に匹敵するほど親父が怖かったのは、年長の男性によって支配される家族制度である家父長制のもとでのことで、現代の親父はそれほど怖いものと思われていない。
最後の「親父」は、父親のことではなく、親方や親分の俗称の「おやじ」で、江戸時代には名主や庄屋を指し、社会的なかしらには頭が上がらないことからという説もある。
台風を意味する「大山嵐(おおやまじ)」が変化して、「親父」になったという説もあるが、こちらは俗説にすぎない。
災害と並んで挙げられている最も大きな要因は、「火事」と「親父」で韻を踏むことで、口調がよくなり、記憶に残りやすいためであろう。
「親父」の代わりに「女房」や「津波」など、怖いと思うものに置き換えて使われることもある。