気が置けないは、「気が置ける」を「ない」で否定した語。
「置ける」が「置く」の可能動詞に見えるため、気が置けないは「気が許せない」「油断ならない」という正反対の意味に間違えられることも多いが、「置ける」は可能動詞ではない。
元々、「気兼ねする」という意味の「気が置かれる」という表現があり、明治時代に「気が置ける」の形に変化した。
「置かれる」は「置く」の自発助動詞で、気が置かれるは「気持ちや注意がそこに留められる」を意味し、気持ちに重圧のかかった窮屈な状態である。
それを「ない」で否定した「気が置けない」は、気を遣う必要がなく、くつろげるさまの意味となる。