割愛の語源・由来

割愛の「割」は「断ち切る」、「愛」は「愛着の気持ち」で、漢語本来の意味は「愛着を断ち切る」である。
日本では、鎌倉時代の『正法眼蔵』にある「断臂たとひ容易なりとも、この割愛は大難なるべし」の例が古く、これ以降も長い間「愛着の気持ちを断ち切る」の意味で使われていた。
割愛が「人に譲る」「捨てる」「省略する」など、愛着や執着を断ち切った結果の行為を表す言葉として使われ始めたのは、明治時代以降のことである。

現代では特に「省略」と同じ意味で用いられることが多いが、「割愛」と「省略」は類義語であって同義語ではない。
「割愛」の軸となる意味は「惜しいけれども断ち切る」にあるので、「重要でないため割愛します」のように「不必要なものを切り捨てる」の意味で使うのは誤りである。

出典:割愛 – 語源由来辞典

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