犬の語源・由来

犬は縄文時代から家畜化されており、自然界の言葉と同じく基礎語にあたる。
そのため、犬の語源は以下の他にも多くの説があり、特定は難しい。

1.「イ」は「イヘ(家)」の意味で、「ヌ」は助詞。
2.「イヌ(寝ぬ)」の意味や、「家で寝る」の意味で「イヌル」の下略。
3.すぐに立ち去ってしまうことから、「イヌ(往ぬ・去ぬ)」。
4.「唸る(うなる)」の古語「イナル」の語幹「イナ」の転。
5.他の動物と同様に、また、「犬」の字音が「クエンクエン」という鳴き声から「ケン」であるように、鳴き声が語源で「ワンワン」や「キャンキャン」が転じたもの。

江戸時代以前、犬の鳴き声は「ビヨビヨ」「ビョウビョウ」と表現されていたことを踏まえると、鳴き声を語源とするのは考え難いが、それ以前、泣き声がどう表現をされていたか不明であるため、完全に否定することはできない。
「狗」は子犬を表し、「エヌ」と呼ばれていた。
「イヌ(犬)」と「エヌ(子犬)」が正確に区別されていたとすれば、「イ」や「エ」が区別するための音で、「ヌ」に「犬」表す意味が含まれている可能性が高くなる。

漢字の「犬」は、イヌを表した象形文字。
「狗」は、「犬」と音符「句」からなる会意兼形声文字で、「句」は「小さくかがむ」の意味である。

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