おぼつかないの「おぼ」は、「おぼろげ(朧げ)」の「おぼ」と同じ語幹で「はっきりしないさま」を示す。
「つか」は、「ふつつか(不束)」の「つか」などと同じ接尾語。
「ない」は、形容詞をつくる接尾語。
「おぼつかない」は、物事がはっきりしないさまの意味から、それに対して「気がかりだ」「待ち遠しい」といった、不安や不満などの感情も表すようになった。
動詞「おぼつく」と助動詞「ない」からなる語ではなく、一語の形容詞「おぼつかない」なので、「おぼつかぬ」「おぼつきません」「おぼつくまい」などというのは間違い。
また、「おぼつく」という動詞もない。
漢字では「覚束無い」と表記される。
しかし、「おぼ」のみで「はっきりしないさま」を表しており、「ない」と「無い」は本来は別の語であり、あくまでも当て字である。