古代中国では、死者が行く地下の世界を「地下の泉」の意味で、「黄泉(こうせん)」といった。
「黄」は五行思想で「土」を象徴することから、「地下」を表している。
日本では大和言葉の「よみ」を漢語の「黄泉」に当てているため、語源は異なる。
古くは、「よみ」を「ヨモツクニ(よみのくにの意)」といった。
「ヨモ(よみ)」の語源には、「ヨミ(夜見)」や「ヤミ(闇)」の意味。
梵語「Yami」、中国語「預弥(ヨミ)」から「閻魔」の意味。
「ヨモ(四方)」の意味からや、「ヤマ(山)」など諸説ある。
あの世が地下にあるとするならば、「夜見」や「闇」の説が妥当である。
しかし、『古事記』では雷神が登場し、地上にある世界のように表されていることから、「山」の説も考えられる。