ホヤの名は、ヤドリギの古名「ほや(寄生)」に由来する。
岩に付着し動かないため、その姿がヤドリギの根を張る姿に似ていることから、「ほや(寄生)」を流用したものである。
ランプシェード(ランプのかさ)に当たる「ほや(火屋)」に似ることからとする説もあるが、ランプは開国後に渡来したものであるのに対し、ホヤは平安時代には既に食用とされ、開国以前から「ホヤ」と呼ばれていている。
火屋は香炉の蓋も意味するが、その火屋とすれば形状は似なくなるため、いずれにしても考え難い説である。
ホヤを食べると強壮効果があることから、「夜に保つ」の意味で「保夜」と書き、「ホヤ」と呼ばれるようになったとする説もあるが、「保夜」は「ホヤ」の呼称が成立した後の当て字なので間違いである。
その他の説では、炎のように赤いことから「ほや(火焼)」、被嚢が張っていることから「ふくは(脹和)」の意味とする説もあるが、いずれも考え難い。
ホヤは漢字で「海鞘」と書くほか、ナマコにも似ていることから「老海鼠」の字が当てられる。
その形状から「海のパイナップル」とも呼ばれる。
「ホヤ貝」と呼ばれることもあるが、貝の仲間ではない。