古くは何かを行うための平らな所を指して「庭」と言い、神事・狩猟・農事などを行う場所や、波の平らな海面などのことも言った。
「学びの庭」といった用法は、このような意味を持っていたことに由来する。
奈良時代には、草木が植えられたり池が造られたところは「園(その)」や「山斎・島(しま)」と呼ばれ、「庭(には)」と区別していたが、平安時代頃から「には」が庭園の意味に転じた。
庭の語源は諸説あるが、有力な説を大別すると「土間(はにま)」の略転、「土間(にま)」の意味、「土場(には)」の意味など「土」の語系とする説と、「に」が「な(滑・平)」の転、「は」が「延」の意味で広がるところに用いる接尾語とする説がある。
「赤土」は「丹(に)」と言ったことから、庭の「に」は「土」や「丹」と同根とも考えられるが、「庭」は平らな所をさす語で海面などもいったことから、「な(滑・平)」の転+「延」を意味する接尾語の説が有力と考えられる。
また、「場(ば)」は「には」よりも遅く見られる語のため、庭の語源とは考えられないが、庭の「は」から派生したとは考えられる。