1860年代のフロックコートに代わり、1870年代から普及したもので、この頃より「背広」の漢字表記が見られる。
背広の語源は諸説あり、以下の順に有力とされている。
1.軍服に対して市民服を意味する英語「civil clothes」の「civil」が訛って「セビロ」となり、「背広」が当てられたとする説。
2.背筋に縫い目がなく、背幅がゆったりしていることから、「背広」になったとする説。
3.ロンドンの高級洋服店街「Savile Row」からこの服が売り出されたため、「Savile」が訛って「セビロ」となり、背広」が当てられたとする説。
4.スコットランドの羊毛・服地の産地「Cheviot」が訛って「セビロ」となり、「背広」が当てられたとする説。
5.ゆったりした男性用上着を意味する英語「sack coat」の訳語にされたとする説。
この他、新たな仮説として、英語の中国語訳に「vest」が「背心」など「背」の文字が使用されていることから、英語の中国語訳、もしくは中国語に由来する説も出てきている。