サクラという言葉は、露天商などの隠語から広まり、明治時代以降に一般に普及しました。「偽客」と漢字で表されるサクラは、当て字です。
その語源には諸説がありますが、江戸時代の芝居小屋で見物人役が一瞬にして現れ、一瞬にして姿を消すことから、桜の特性になぞらえて「サクラ」と呼ばれるようになったとする説が有力です。この表現が露天商の隠語となり、一般にも浸透したと考えられています。桜は無料で鑑賞できることから、芝居を無料で見物する人を指すようにもなりました。
役者に声をかけて場を盛り上げる役目を果たしたことから、現在のサクラの意味につながったとも言われています。「作労(さくらう)」が転訛して「サクラ」になったとする説もありますが、その意味のつながりが明確でなく、有力な説とはされていません。