「しわす」の漢字「師走」は、当て字であり、その語源については複数の諸説が存在し、未だ詳細な結論は出ていません。
最も有名な説の一つは、「師匠の僧がお経をあげるために、東西を馳せる月」と解釈される「師馳す(しはす)」説です。この説は、平安末期の文献である『色葉字類抄』に「しはす」の注として説明がされています。現代の「師走」の意味とも近いため、この説が有力視されていますが、一方で民間語源である点に留意する必要があります。
他にも、「年が果てる」を指す「年果つ(としはつ)」が変化したとする説や、「四季の果てる月」を表す「四極(しはつ)」から派生したとする説、そして「一年の最後になし終える」意味の「為果つ(しはつ)」から派生した説なども存在します。
これらの諸説はいずれも師走の語源を解釈する試みであり、その起源には謎が残ります。師走の言葉は、日本の季節感覚や文化と深く結びついており、様々な言い伝えが伝わっています。