江戸時代、髪の油を売る商人が婦女を相手にしていた頃、彼らは長々と世間話をしながら油を売っていました。この様子が転じて、無駄話をするなどして仕事を怠ることを「油を売る」と表現するようになりました。ただし、当時の油売りの商人が世間話をするのは、油が粘性が高く、桶から客の器に移すのに時間がかかるためであり、仕事をサボるためのものではなかったとされています。
別の説では、油を売る語源は髪の油ではなく、行灯の油であるとも言われています。また、江戸時代の歌舞伎役者が女性相手に化粧油を売って、その様子から怠ける意味に転じたとする説も存在します。