「急がば回れ」の由来と意味 – 宗長の歌が紡ぐ慎重な行動の教訓

「急がば回れ」の語源は、宗長(室町時代の連歌師)の歌「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」にあります。この歌の中で「もののふ」とは武士、「矢橋の船」とは矢橋の渡し船を指し、「瀬田の長橋」とは「瀬田の唐橋」のことを指しています。

「矢橋の渡し」は、実際の地名で、東海道五十三次の一環として草津宿から大津宿を結ぶ湖上水運の一環でした。この航路は比叡山から吹き下ろされる強風(比叡おろし)により危険でしたが、当時の京都へ向かう際には矢橋を経由する航路が陸路よりも近く速かったのです。

「急がば回れ」は、この歌から派生し、急がずに慎重に進むことが良い結果を生むという意味で使われるようになりました。この教訓は今日でも通用し、計画的で慎重な行動が成功につながると広く認識されています。

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