「退社」と「退勤」の違い

退社も退勤も勤めを終えて会社を出る意味では同じように使えるが、基本的には「出社」と「出勤」の違いと同じで、対義語の「退社」と「退勤」にも違いがある。
ただし、「出社」と「出勤」とまったく同じ使い分け方にはならないため、その点は注意が必要である。

退社は「入社」の対義語、「退職」の類語としても使われる言葉で、勤務している会社を辞めるという意味もあるため、取引先からの電話に対し、「◯◯は退社いたしました」と伝えると、会社を辞めたと誤解される可能性もある。
このような場合は、「退勤」を使うか、「退社いたしました」の後に「明日は◯時に出社します」と付け加えることで、相手に誤解を与えずに済む。

退勤は勤めを終えて退出することで、退社のように、必ずしも退出する場所が自身の勤める会社である必要はなく、営業先からそのまま帰宅する場合は、最後の営業先で仕事を終えて出ることが退勤である。
たとえば、16時に会社を出て営業先に向かい、18時に営業先から直帰した場合、退社時間は16時だが、退勤時間は18時になる。

出勤は退勤の対義語だが、営業先などへ直行するほか、在宅勤務の場合でも仕事を始めれば「出勤」と言う。
それに対して「退勤」は、勤めを終えることではなく、勤め先から退出することを意味するため、在宅で仕事を終えたことを「退勤」とは言わない。

「退社」や「退勤」の類義語と誤解されやすい言葉に「帰社」があるが、帰社は「会社から帰る」という意味ではなく、「会社へ帰る」という意味なので、間違えて使わないようにしなければならない。

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