「違法」「不法」「非合法」「脱法」の違い

違法と不法と非合法と脱法は、法律にそむくという意味では共通するが、「違法駐車」とは言っても「不法駐車」とは言わず、「不法監禁」とは言っても「違法監禁」とは言わないように、これらの言葉は使い分けされていることが多い。

違法とは、法律や規定などの決まりにそむくことで、適法の対義語。
違法駐車に対して適法な駐車があり、違法建築に対して適法な建築もあるというように、適法な行為が対としてある場合に違法が使われ、監禁のように、そもそもが法律に反している行為について違法は使われにくい。

不法は、法律に違反することのほか、道理や道義にそむく意味でも使われる。
そのため、「不法投棄」や「不法監禁」など、反社会的な行為というニュアンスを含む場合に不法が使われる。

非合法は、法律に違反することや、法律の許す範囲を越えて密かに行うことをいう。
「非合法な裏家業」や「非合法な政治活動」など、見えないところで法律に違反する組織や、政治的な体制に反することに非合法が使われる。

脱法とは、見かけは法律で禁止されている行為に当たらないが、実際は法律で禁止していることを行うこと。
取り締まりの対象となっていないが、実際は成分や効果が大麻や覚せい剤と違いがない薬物を「脱法ドラッグ(脱法ハーブ)」というように、法の規制をかいくぐり、法律に違反する行為に脱法が使われる。

なお、ここでいう「不法」は、世間一般に使われている意味について解説したものであり、民法で規定された法律用語としての「不法行為」とは異なる。

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