「弁済」と「返済」の違い

弁済も返済も、借りた金品を返すことで、一般に使われる意味では両者に違いはない。
しかし、返済は法律用語として使われないが、弁済は法律用語として使われる。
法律用語の弁済の意味は、債務を履行し債権を消滅させることをいい、一般に使われる返済とは意味が異なる。

弁済の「債務を履行し債権を消滅させる」というのは、お金を借りた場合であれば、借りたお金を相手に全額返すこと。
返済の場合は借りた金額の一部を返すことも返済だが、弁済の場合は一部を返して弁済したということはない。

債務というのは金品の貸し借りだけでなく、商品の売買にも当てはまることで、売る側にも買う側にも、それぞれに債務・債権がある。

お店で商品を買い、後日支払いをする場合、店側には商品代金を受け取る債権があり、お客側には代金を支払う債務がある。
お客がお店に対して、商品代金を期日までに全額支払うことが弁済である。

反対に、商品代金を支払ったが、納品は後日という場合は、店側には商品を納めるという債務があり、お客側には商品を受け取るという債権がある。
お店がお客に対し、期日までに全ての商品を納品することが弁済となる。

出典:「弁済」と「返済」 – 違いがわかる事典

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