「樽」と「桶」の違い

樽は酒・醤油などを入れ、保存・運搬に使用される、蓋が閉じられた容器。
桶は風桶や寿司桶など、蓋が閉じられていない容器である。

容器が木製の場合は、側板に板目板を使うのが「樽」、柾目板を使うのが「桶」である。
板目板は、木目が平行ではなく山形や波形をしたもので、水分を吸収しにくく、蒸発させにくい性質があるため、酒や醤油などの貯蔵に使われる。
柾目板は、木目がほぼ平行で均等に並んだもので、水分を吸収しやすい性質があるため、中身の出し入れが頻繁にある風呂桶や水桶などに使われる。

上記のように、基本的には蓋の有無や使用する板の違いで、樽と桶は分けられるが、下記のように例外も多く、はっきり区別できないのが樽と桶である。

漬物を入れる容器は、「漬物樽」とも「漬物桶」とも呼ばる。
酒や醤油のように中身を取り出す際には穴を開け、蓋が閉じられたままのものであれば「樽」で間違いないが、漬物の容器は、保存時には蓋が閉じられているため「樽」、中身を取り出す際には蓋を開けるため「桶」ともいえ、区別が難しい。

雨水を貯めておく天水桶は、その名前からすれば「桶」であるが、蓋があるものと無いものがあり、木製の場合は、水を長期に貯めるため板目板が使われる。

棺桶に「桶」が付くのは、遺体が座った状態で入るように作られた「座棺」の形状に由来するが、その形状は樽型である。

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