にわかの語源には、「いまか(息間所)」の意味。急なことは一、二と分かずの意味から。「には(にわ)」は「にひ(新)」から分化した語で、「か」は形容動詞をつくる接尾語などの説がある。
にわかの「か」は形容動詞をつくる接尾語のため、「息間所」や「二分かず」の説は考えられないが、それだけで「にひ(新)」から分化したとも言い切れない。
「にわかに」「慌ただしく」を意味する副詞に「にわしく(にはしく)」があるため、「にわか」と語根を同じくする形容詞「にはし」があったとも考えられているが、それ以上のことは分からず、語源は未詳である。
インターネット上には、江戸中期から明治にかけて流行した即興芝居の「にわか狂言」の下略を語源とするものも見られるが、「にわか」は平安時代には使われていた古い言葉なので、この説は論外である。
にわかは、物事が急に起こるさまから、常ではなく一時的であるさまを表すようになり、「にわか狂言」や「にわか仕立て」など名詞の上に付いて、急にその状態になることを表すようになった。