おめおめは、「怯む(ひるむ)」「臆する(おくする)」を意味する動詞「怖む」の連用形「おめ」を重ねた語で、「怖づ怖づ(おずおず)」よりは新しい語のようである。
鎌倉時代の軍記物語『保元物語』では、相手の威力に恐れて気おくれする意味で、「景能おめおめとなりて」と使われている。
この用法は、現代でも使われる「今さらおめおめと帰れない」と似ている。
やがて、「臆することではあるけれども」といった意味合いから、「恥じるべきと分かっていながら」の意味に転じた。
『平家物語・志度合戦』では、恥ずかしげもなく平気に見えるさまの意味として、「おめおめと降人にこそ参りけれ」と使われている。