うさぎ小屋は、昭和54年(1979年)にEC(ヨーロッパ共同体)が出した非公式報告書『対日経済戦略報告書』の中で、日本人の住居が「rabbit hutch(うさぎ小屋)」と形容されたことから、日本では自嘲をこめた流行語となった。
原文は、フランス語で「cage a lapins」。
直訳すれば「rabbit hutch(うさぎ小屋)」になるが、フランスの集合住宅の俗称で「狭くて画一的な都市型集合住宅」を意味し、「日本人もフランスの集合住宅のような所に住んでいる」といった趣旨の表現であった。
「都市型集合住宅」を表すことから、フランス語が英訳された際の誤訳で、本来は、ほめる意味が含まれていたとするものもある。
しかし、報告書では「日本は西欧人から見ると、うさぎ小屋とあまり変わらない家に住む労働中毒者の国」と表現されており、住居に関する箇所を「フランスのような狭くて画一的な都市型集合住宅」に変えても、「狭い家に住みながら狂ったように働いている」といった意味に変わりはない。
つまり、「うさぎ小屋」は「欧州に比べて狭い家」といった優劣を意味するものではないが、「狭い」という意味で用いられていることに間違いはない。