タイムは、英語「thyme」からの外来語。
「thyme」の語源には、ギリシャ語で「勇気」を表す「thymos・thymus」、「生け贄」を表す「thyo」、「香り」を表す「thuo」などの説があるが、これらは分けて考える別々のものではなく、全て同一語源である。
「thyme」を遡ると、「ちりが飛び散る」「煙が舞う」という意味の古い印欧語「dheu-」という語にたどり着く。
ギリシャでは犠牲物を燃やして煙を立てたことから、「食物を焼いて供物として捧げる」という意味の「thuo」、「煙を出す」「香りを焚く」を意味する「thuos」の語が生まれた。
タイムが寺院で香として焚かれていたことから、この植物には「thumon」の名が付き、ラテン語で「thymum」、フランス語で「thym」、英語で「thyme(タイム)」となった。
煙を立てたり、生け贄を供物として捧げる行為から、ギリシャでは勇気をもたらすものと信じられ、騎士にタイムの葉が贈られたりしたため、「勇気」を表すギリシャ語も同源となっている。
タイムはエジプト・ギリシャ・ローマで防腐剤として用いられ、古代エジプトではミイラの防腐剤にされたといわれる。