石鹸は、「固い鹸」の意味として日本人が考えた造語である。
「石」は、固い物の意味。
「鹸」は、塩水が固まったアルカリの結晶、また灰をこした水のことで、アルカリ性で洗濯にも使えることから、本来は「鹸」の一字でも「石鹸」を意味する。
石鹸は南蛮貿易により渡来したが、当初は灰汁を麦粉で固めたものを言い、「鹸」の意味のまま用いられていた。
江戸時代には「シャボン」が常用語として使われていたため「石鹸」の語はあまり見られないが、明治に入ると漢語重視の風潮になり、多く用いられるようになった。
ただし、この当時の「石鹸」の振り仮名は「シャボン」とされるのが普通で、「せっけん」と読まれるのは明治後半からである。