目安は、形容詞「めやすし」の語幹が名詞になった語。
「めやすし」の語構成は「目(め)」+「安し(やすし)」で、見ていて安心していられるという意味から、平安時代には「見苦しくない」「見やすい」の意味で用いられた。
鎌倉時代頃から、そろばんの位どりの印、秤の目盛りなど、見てすぐにわかるものを「目安」と呼ぶようになり、目当てや基準の意味で用いられるようになった。
室町時代以後、読みやすく箇条書きにした文書や訴状も「目安」と言うようになったことから、訴状一般を指すようになった。
将軍吉宗が設置した「目安箱」が政治の指針となったことから、見通しや基準の意味になったとする説もあるが、「目安箱」は「目安」の持つ「訴状」という意味から名付けられたものなので、この説は間違いである。