本来、手紙は「常に手元に置いて使う紙」「半切り紙」のことをいった。
「書簡」の意味で「手紙」が用いられるのは近世初期以降で、それ以前は学問などでは「文(ふみ)」、動静や様子を知らせる書状は「消息」の語が用いられた。
手紙が「手元に置いて使う紙」の意味から「書簡」の意味に転じた理由は、「手」が「筆跡」や「文書」の意味でも用いられていたことに由来するか、意味が転じた当初、手紙は「簡略な書きつけ」を指しているため、手元に置いてある紙を用いたことに由来すると考えられる。
また、中国語で「手紙」は「トイレットペーパー」を意味し、「手元に置いて使う紙」の意味が転じたといわれる。