「茶番」は「茶番狂言」の下略で、江戸末期に歌舞伎から流行した、下手な役者が手近な物を用いて滑稽な寸劇や話芸を演じるもののこと。
本来、茶番はお茶の用意や給仕をする者のことであるが、楽屋でお茶を給仕していた大部屋の役者が、余興で茶菓子などを使いオチにしたことから、この寸劇は「茶番狂言」と呼ばれるようになった。
この狂言では、オチに使った物をお客に無料で配っていたため、見物客の中には寸劇ではなく、配られる品物を目当てに訪れる者もいたといわれる。
このような即興の素人劇の意味から、底の見え透いた馬鹿馬鹿しい行為を「茶番劇」と言うようになった。