指南は、古代中国の方角を指し示す車「指南車」に由来する。
指南車は、歯車の仕掛けで車の上に備え付けた人形の指が、常に南を向くように作られていたもの。
7世紀後半には、日本でも指南車が作られていた。
やがて「指南」と下略され、道に迷わないよう一定の方向を指し示すことから、人に方向や進路を教え導く意味となった。
指南は比喩的に用いられて「手引き」の意味にもなり、「手引書」を意味する「指南書」という語も生まれた。
江戸時代には、大名などに仕えて武芸などを教授する役を「指南番」というようになり、転じて、指導する者も「指南」と言うようになった。