教養は、明治初期に「education」の訳語として伝わったものである。
しかし、その訳語には「教育」が当てられ定着したことで、教育の意味での使用は廃れ、大正時代以降に「culture(カルチャー)」の訳語という意識で、現在使われているような、教育の内面的な成果を表す言葉になっていった。
古く、中世の文献にも「教養」の語は見られる。
しかし、室町時代の辞書『伊京集』で「仏事」と説明されているように、その頃の「教養」は死者の後世を弔うことを意味する「孝養」の別表記として使われていたもので、現在使っている「教養」への繋がりが見られないため、別語として捉えた方がよい。