荒唐無稽は、中国古典の「荒唐之言」と「無稽之言」に由来し、「荒唐之言」は『荘子』、「無稽之言」は『書経』に見られる。
ただし、「荒唐」と「無稽」が一緒に使われた例は見られないことから、「荒唐無稽」は日本で作られた四字熟語と思われる。
四字熟語の形では、坪内逍遙の『小説神髄』(1885〜1886年)に、「羅マンスは趣向を荒唐無稽の事物にとりて奇怪百出もて編をなし」とあるのが古い。
荒唐無稽の「荒」は何もなく虚しい意味、「唐」は「口+庚(ぴんと張る)」で、口を張って大言することを表すことから、「荒唐」は中身がなく、でたらめなことを意味する。
「稽」は考えるの意味で、それが「無」であることから、「無稽」は根拠がなく、でたらめであることを意味する。