鉄砲を持たず戦いを挑むことに由来しそうな言葉だが、無鉄砲は当て字で、「無点法(むてんぽう)」もしくは「無手法(むてほう)」が変化した語といわれる。
無点は漢文に訓点が付けていないことで、訓点が付されていない漢文は読みにくいところから、物事がはっきりしていないことを「無点法」という。
無手は手に何も持っていないことや、特別な技芸を身につけずに物事に当たることを意味する。
無点法の説は、不明確で理解できないところから、無茶苦茶なことの意味。さらに、無鉄砲の意味に転じたというものだが、理解しづらいことが、前後をよく考えずに行動する意味となるか疑問である。
無手の方法や考えなしに行動するところは、無鉄砲の意味に通じるため有力だが、「無手法」の形で使われた例が見られないため、断定は難しい。
「むてほう(無手法)」よりも「むてんぽう(無点法)」の方が、「むてっぽう(無鉄砲)」に変化しやすいため、意味の面では「無手」、音の面では「無点法」に由来するとも考えられる。