剣幕は、脈をみて診断する意味の「見脈(けんみゃく)」に由来する。
見脈は診断の意味から、外見から推察することや、脈の激しい状態を意味するようになった。
そこから、怒って興奮しているようすをいうようになり、意味の変化に伴って「けんまく」の音に変化した。
剣幕の語源には、「険悪(けむあく)」の連声(前の音節の末尾の子音が、後の音節の語頭の母音と結びつき、別の音節を作ること)とする説もある。
しかし、意味の繋がりに欠け、「見脈」が「けんまく」の意味で用いられた例もあることから、「見脈」が語源で間違いないと思われる。
漢字の「剣幕」「権幕」「見幕」は全て当て字で、他に「剣脈」の表記も見られる。