お蔵入りの語源は、二説ある。
ひとつは、蔵にしまい込んでしまい、日の目を見ずに終わることからとする説。
もうひとつは、芝居の最終公演日を言う「千秋楽」の「らく(楽)」を倒語にして、興行が中止になることを「くら」と言ったことからという説。
映画や計画が中止になることの意味で「お蔵入り」が使われるのは、芝居が中止になる意味からの派生で、江戸時代には倒語が流行していたことから、千秋楽の「楽(らく)」の倒語説が有力と考えられる。
ただし、芝居の台本を蔵にしまい込んでしまったことから、芝居用語として用いられたという解釈もでき、文字通り「蔵」を語源とする説が間違いとは言い切れない。
お蔵入りは「お蔵」のみでも使い、「お蔵になる」や「お蔵にする」とも言う。