鉄火巻きの「鉄火」は、もともと真っ赤に熱した鉄をさす語である。
マグロの赤い色とわさびの辛さを「鉄火」にたとえたもので、気質の荒々しい者を「鉄火肌」や「鉄火者」というのと同じである。
鉄火巻きの語源には、賭博場を意味する「鉄火場」に由来し、手に酢飯が付かず、鉄火場で博打をしながらでも手軽に食べられることからとする説もある。
しかし、「鉄火」の付く食べ物には「鉄火丼」や「鉄火味噌」もある。
これらに共通するのは「赤い色」と「辛さ」で、「鉄火場」も「手軽さ」も関係ないため、この説は間違いといえる。
また、「鉄火場」の語源も、熱した鉄の「鉄火」に由来し、熱した鉄のように博徒が熱くなるからといわれている。