案山子の語源・由来

かかしは、古くは髪の毛や魚の頭などを焼き、串にさして田畑に立てたものであった。
悪臭で鳥や獣を追い払っていたことから、これを「嗅がし(かがし)」と呼び、清音化されて「かかし」となった。
ただし、竹や藁で作った人形が使われるようになってからも、しばらくは「かがし」が用いられており、「かかし」という清音形は近世以降に関東地方から始まり、関西地方でも「かかし」が使われるようになったのは江戸時代後半である。

漢字の「案山子」は、元々中国の僧侶が用いた言葉で、「案山」は山の中でも平らなところを意味し、「子」は人や人形のことである。
中国宋代の禅書『景得伝灯録』に「僧曰、不会、師曰、面前案山子、也不会」とあり、これにならって「かかし」の当て字に「案山子」が用いられるようになったと考えられている。

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